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着物の里探訪記第四弾

きものの里探訪記

第四弾 博多帯の里 福岡県筑紫野市にて
西村織物株式会社 専務取締役 西村照子さんを訪ねて

博多織献上館

きものの里探訪記第四弾は、第三弾『久留米絣』に引き続きまして九州編となります。
九州編の締めくくりは、やはり有名な『博多帯』ですよね!
そこで今回は、織屋の中でも創業140年 老舗中の老舗であります『西村織物株式会社』に専務取締役 西村照子さんを訪ねました。
【筑紫野市】
西村織物は、福岡県中部に位置する筑紫野市にあります。
筑紫野市は博多から電車で約20分 人口約10万人の市です。

また、『博多の奥座敷』と称される二日市温泉があり、学問の神様として有名な太宰府天満宮(太宰府市)も近くにあります。
【献上博多帯】
献上帯 慶弔五年、福岡藩(黒田藩)藩主 黒田長政が、特産の博多織りを徳川幕府に献上したことから、『献上博多』という由緒ある名称が付けられました。

 献上帯の柄は仏具の独鈷(どっこ)、華皿(はなさら)と縞をモチーフにし、織屋ごとに独自の意匠デザインとなっています。 また、経糸(たていと)の密度を多く、細い片撚糸を合わせて太い緯糸(よこいと)を筬で強く打ち込み、おもに経糸を浮かせて柄を織り出すのが博多織の特徴です。

   博多帯の締め心地には定評があり、締める際には「キュッキュッ」と絹鳴りする独特の魅力があります。

【糸繰り、整経工程】
糸繰り作業では、糸のよれ、絡み、癖のある糸を正常にし、均一でゆるぎない一本糸にして「枠」に巻きつけて行きます。
こうして、極細な糸を徹底的に均一の糸に仕上げていきます。
こうして出来た均一な糸を指定紙に沿って、整然とドラムに巻きつける作業を整経といいます。
経糸で柄を織り出す博多織りにとって、経糸(たていと)を整える「整経(せいけい)」という工程は極めて重要な作業となります。
熟練工の目と手が、その重要な作業を支えています。
どんな時代になろうとも、やはり人間の研ぎ澄まされた感性は物作りの『基本』だと思います。

糸繰り 整経
糸繰り工程整経工程


【織り、検品工程】
機に経糸を仕掛け、いよいよ織りの工程です。この写真の織機では、二本の帯を同時に織り上げています。
織りのスピードに驚いたのですが、アパレルの織機のスピードと比較すると十分の一のスピードとのことです。

やはり最後の検品は『目』です。
傷や汚れなど細部のチェックと全体の仕上がり感を厳しくチェックします。

こうして、現代の博多帯は、徳川時代より受け継がれてきた『博多織の魂』を背負い、お客さまのもとへと旅立ちます。
織り工程 検品工程
織り検品


これまで、織物の工場をいくつか見てきましたが、規模の違いにビックリしました。
これまで見学した工場が『家内制手工業』なら西村織物は『工場制機械工業』といった感じで伝えれば違いが伝わるでしょうか?
まさに産業革命です!!

【伝統工芸士】
『伝統工芸士』井上さん
『伝統工芸士』井上久人さん

高級な博多織は、現在も熟練の技術者による手織りで織っています。

機械織りに比べると生地が一段としなやかになるそうです。

※今回の取材中、偶然にも伝統工芸士の井上さんにお会いすることができました。

【博多織り献上館】
工場見学の後、博多織献上館をゆっくりと見学させていただきました。
こちらは西村織物さんの直営ショップとなっています。
帯・着尺をはじめとして、草木染めのストール、スカーフ、ウェアも販売していました。

『守るべきものは守り 時代に合わせて変えるべきところは変える』

西村織物に『老舗のあるべき姿』を見ることが出来ました。

【編集後記】
今回の取材は、久留米絣に引き続いて実施しましたので、猛暑の中の取材となりました。
異常な暑さにも関わらず、快く取材に応じていただき本当にありがとうございました。
専務取締役の西村様には『商売の心構え』も手ほどきいただきまして本当に感謝しております。
西村様との会話を通じて、西村様の人間性に深く感じ入りました。 まさに西村織物の精神は、『良い品を良い人で』(私の好きな言葉です)だと思いました。
また、広報担当の押見様、春田様お世話になりありがとうございました。 末筆となりましたが、今回の取材をセッティングいただきました博多織工業組合 事務局長の吉丸様 お世話になりまして本当にありがとうございました。

きものの美 和(なごみ)
店主 

※この記事は2010年夏のものです!

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